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商品点数が多いECサイト

Homeラボ記事 > 商品点数が多いECサイトの運営改善
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「ECサイト」とは、個人消費者を対象とした通販サイトの事を指します。 自社商品点数が数十点ほどのサイトであれば、運営がまわるのですが、 小売業などでは数百、数千を超える事があり、その管理が非常に負荷になります。

大量の商品を扱う小売業通販
多くの小売業では、その業界の各メーカーから様々な商品を仕入れて販売します。 例えば有名どころでは「モノタロウ」や「アスクル」といった会社です。 モノタロウなどは2023年時点で1900万点もの商品を取り扱っており、 運営や物流の改善なくしては取り扱う事が出来ない規模になっています。
負荷が生じ始める分岐点
負荷になる原因は商品点数だけでなく、取り扱う商品によって異なります。 例えばすぐに欠品になってしまう商品や、輸入品で対応が後手になってしまう商品、 すぐに商品のバージョンが変わってしまう商品などです。 この様な商品を取り扱っている場合は、数百点の時点で運営負荷を感じる様になります。
負荷の内容
「欠品対応」「誤注文対応」「商品情報の更新対応」「クレーム対応」「問い合わせ対応」などが発生しやすくなります。 これらの改善には、メーカーとの密なやり取りと社内共有の仕組みが必要不可欠です。

欠品の管理

取り扱い商品が大量にあると、商品にまつわる様々な作業負荷も増大化します。 特に「欠品」については、しっかりと管理しなければ、負荷だけでなく、ブランドを傷つける事になります。 具体的に「どう改善していけるか」を確認してみましょう。

メーカーから情報を収集する仕組み
ちょっとしたデザインの変更や、サイズや材質の変更などがあっても、 メーカーから情報が届かない事は多々発生します。内容によってはお客様のクレームに直結します。 これを回避するには、定期的に「メーカー側にアラートを上げる」という事が必要になってきます。 この方法は、業界によって様々です。アナログな取引先が多い業界では、定期的にメーカーにFAXを送り、 確認を促します。
FAXの内容
FAXで確認する時に、重要なのは「返答する事が御社の利益になりますよ」という事を明確にする事です。 例えば「欠品を放置すると御社のブランドに傷がつきます!」「欠品になったままなら販売機会損失を招いていますよ!」 「商品情報の変更をお客様に伝えないと、御社のブランドに傷がつきます!」といった具合です。
この仕組みには欠品管理が必須
FAXの内容は、欠品の確認をベースに行う為、自社での欠品管理は必須です。手順としては、メーカーから得た欠品情報を 基幹システムの商品マスタで管理し、FAXで定期的にその状態(欠品のままか、新しい欠品・廃番はないか、商品情報に変動はないかなど)を確認。 これにより、常に最新の商品状態を担保させます。
商品の欠品状態をECサイトに連携
この様に、最新の商品状態を管理出来れば、それを一括でECサイトに連携する事で、 ECサイトの欠品状態も常に最新化され、クレーム問い合わせが減り、代替商品の案内も容易になります。
実店舗も同様
欠品情報を基幹システムで管理する事で、EC以外での注文でも活用する事が出来ます。 例えば受注入力を行う時に、欠品情報が出ていれば、すぐにお客様にご案内できますよね。

商品情報の収集

取り扱い商品が大量にある事で、欠品以外に問題となるのが「商品情報の最新化」です。 例えば「デザインが少し修正された」とか「サイズが数ミリ小さくなった」など。 放置すると深刻なクレームにつながりかねません。

お客様はちょっとした違いに敏感
ちょっとした商品情報の変更の場合、メーカーから連絡が来ないケースもあります。 ですが、お客様が商品を見るとき、ちょっとした写真の違いやサイズの違いを非常に気にします。 例えば「柄の鳥が少し違う」「20mmと書いてあるが他では19mmと書いてある」などです。 こういった事で、都度メーカーに確認しお客様にお詫びを繰り返していませんか?
定期的にメーカーに確認を促す
前述した欠品管理で、メーカー側に定期的な確認FAXを送っていますよね。 これを利用し、商品情報変更の確認を促す事が出来ます。具体的な変更レベルも文言として記載しておけば メーカー側も無下にはできないはずです。もちろんこういったやり取りにITを活用できる業界は、ITを活用しましょう。
全社に共有する仕組み
また、これらの変化を、ECサイトだけでなく、実店舗や営業など、全社に共有する仕組みを作る事も大切です。 この様な双方向で最新情報を共有し合う事で、メーカーだけに依存しない、より質の高い「状態の保持」が出来る様になり、 お客様対応の質が一段と上昇します。ぜひ検討してみてください。


 ご相談について
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